根付の歴史と概要-江戸時代の根付とは-

「根付の歴史と概要-江戸時代の根付とは-」

根付コラム

|はじめに

江戸時代にまで遡ると、根付は当時の風俗画などに描かれていました。
着物にはポケットがなく、当時の人々は巾着や煙草入れ、印籠などを帯から下げて
「提げ物」として携帯していました。
帯に引っ掛ける留め具の役目をするものを根付といいます。

|根付の特徴

根付の特徴としては、留め具としての役割があるため紐を通す穴があります。
また装身具としての意味を持ち、着物に引っ掛かったり、壊れやすい素材やデザイン
は適しておらず、掌に収まる大きさのものが多く、その肌触り・感触も楽しんでいたようです。

|実用品から工芸品へ

昔は実用品として重宝されてきましたが、現代では美術品として収集や売買されてい
ます。美術館や博物館に展示されてたり、出版物等でも目にすることができます。

江戸時代初期から根付の制作が盛んになり、工芸品としての地位を確立しました。
素材は象牙や黄楊のものが数多く残されており、遊び心のある作品や芸術的価値の
高いものなど、現代を生きる私たちをも魅了する素晴らしい根付がたくさん存在
します。

|伝統工芸品としての根付は海外へ流出

19世紀にはフランスなどヨーロッパ各地でジャポニズムという文化に火が付き、
日本美術の独自性や世界観が人気を博しました。そのため浮世絵や根付などの伝統
工芸品が海外へ流出
するようになりました。その名残で今でも海外の根付の人気は
高いようです。また根付(NETSUKE)という言葉がそのまま通じる国もあります。

|まとめ

江戸時代の根付作家は江戸や京都、大阪、名古屋、伊勢、奈良などで活躍し、
現代も各地で名工と呼ばれる方々が継承され、高いレベルの作品を作り続けています。

奥が深く歴史がある根付ですが、根付教室が開かれているところもあり、
制作キットなども販売されています。知っているようで知らない根付の世界ですが、
精緻を極めた細工を見たり、触れたりすると新しい扉が開くかもしれません。

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